妊活ゼミナール

妊活ゼミナールは世界の医学⽂献のデータベースPubMedを参考⽂献としてわかりやすく解説しています。

今日の授業

あなたが飲んでいるその妊活サプリ、正しい効果はありますか?
科学的根拠があるか調べましたか?

赤ちゃんが欲しくて妊活に取り組んでいる人は、普段どのようなことに気をつけているのでしょうか。

妊娠しやすい体づくりには食生活を見直さなければなりません。
食事から十分に摂れない栄養素を、サプリから摂取している人も多くいらっしゃいますよね。

今回は、妊活する際の正しいサプリメントの選び方についてご紹介します。
現在サプリメントを飲んでいる人もこれから選ぶ人も是非参考にしてください。

妊活サプリ選びは「人気」ではなく「エビデンス」で選ぶ

妊娠しやすい体を作るためのサプリメントはどのように選べば良いのでしょうか。
沢山の情報の中から、雑誌で多く取り上げられているサプリや、口コミで人気のサプリを選んでいる人は要注意です。

サプリメントの過剰摂取は、添加物によるアレルギー反応や肝障害など重大な健康被害を招く危険性があります。

最近では、個人で海外輸入をしてサプリメントを飲んでいる人も増えています。
サプリメントはあくまでも食品として販売されている製品であり、薬ではありません。

よく調べずに購入すると、薬の成分が入っている未承認無許可の医薬品を飲んでしまう可能性もあるのです。このような危険性を減らすためにも、有効性や安全性に対する効果のある妊活サプリを選びましょう。

よく耳にする葉酸の効果と必要性

妊活をしている方であれば、知っている葉酸。
葉酸は、ビタミンBの一種であり、ブロッコリーや焼き海苔、きな粉など、さまざまな食品に豊富に含まれています。

葉酸の効果として、赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを軽減できることが挙げられます。

神経管閉鎖障害の発症が高かった欧米での研究により、妊娠前後に十分な葉酸を摂取することで、発症率が低くなったと報告されました。日本においても疫学研究が行われ、神経管閉鎖障害を含む先天性異常疾患のリスク低減が認められています。

葉酸は胎児の正常な発育にはとても重要な栄養素ですが、妊娠しやすい体づくりとしてのエビデンスはありません。

妊活においては、普段の食事から積極的に葉酸を摂ることでいつでも妊娠できるように準備しましょう。

エビデンスとは

今飲んでいるサプリの成分を調べるために、PubMedを利用してみませんか。
PubMedとは、世界の医学系雑誌に掲載された文献を調べることができる情報データベースのことです。

5,200誌以上の雑誌から、医学用語やタイトルなどのキーワードを検索して、文献や抄録を調べることが可能です。インターネットから無料で検索できるので、正確な情報を調べたい時に便利です。全て英語表記ですが、自動翻訳を利用すれば難しくありません。

気になる論文を見つけたら、Full Text Linksから全文表示で閲覧できます。
古い情報から最新のデータまで追えるので、エビデンスを確認するために論文検索することは有効です。

エビデンスを元に、卵子老化対策にNMN、着床率アップに高濃度ビタミンDをご紹介

妊活に期待できる成分として、エビデンスが確立しているものがNMNとビタミンDです。

NMNは、ニコチンアミドモノヌクレオチドの略で、体内でも生成されているヒトには欠かせない補酵素です。女性の加齢とともに卵子も老化し、妊娠率を下げる要因でもあります。

マウス実験で、卵子の元となる卵母細胞にNMNを補充したところ、卵母細胞の質に変化があったことが示されました。*1

ビタミンDは、妊娠率や着床率に影響しています。高濃度ビタミンDサプリを4か月摂取したグループとそうでないグループを比較したところ、摂取したグループの方が4倍も妊娠率が高くなったと分かりました。*2

気になる成分やお悩みを「エビデンスバンク」で解決!

現在飲んでいるサプリメントの成分の効能や、妊活で気になることを確認したい場合は、幅広い研究結果に基づいた情報を収集しなければなりません。

個人の口コミや、誇大広告などに惑わされないためにも、エビデンスバンクを利用しましょう。エビデンスバンクは、弊社が独自に開発した検索システムです。
※現在はシステム開発中となります。ご利用可能となりましたら、HPにてお知らせいたします。

サプリに含まれる成分や、悩みをキーワード検索すると、世界中の3,000万件以上の医療論文から該当するエビデンスを調べることができます。

PubMedよりも簡単に30秒程度で分かるので、気になった時にすぐに検索する習慣がつきます。科学的根拠があることが確認できれば、安心してサプリメントを摂取することができるでしょう。

妊活において早めの行動、正しい情報選択は非常に重要です。
女性の年齢が妊娠のしやすさに最も関係していることを意識して、妊活における情報収集の方法も工夫していきましょう。

参考文献

2021年3月 厚生労働省
妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針~妊娠前から、健康なからだづくりを~解説要領
https://www.mhlw.go.jp/content/000776926.pdf

2021年6月 厚生労働省
葉酸とサプリメント ‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-002.html

*1 2019年6月 Xinghan Wu,Feifei Hu,Juan Zeng,Longsen Han,Danhong Qiu,Haichao Wang,Juan Ge,Xiaoyan Ying,Qiang Wang
NMNAT2-mediated NAD + generation is essential for quality control of aged oocytes
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30909324/

*2 2016年6月 鈴木光幸
成人病胎児期発症説からみた低出生体重児増加と若年女性の健康力に関する検討
https://kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-25870726/25870726seika.pdf

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