妊活ゼミナールは世界の医学⽂献のデータベースPubMedを参考⽂献としてわかりやすく解説しています。
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今⽇の授業のお題は2020年8⽉にオランダ、中国、アメリカの研究チームがPubmedで発表した。
NMN（ニコチンアミドモノヌクレオチド）の飲むことで⽼化した卵⼦を蘇らせるといった学術論⽂をわかりやすく解説するわね。
研究チーム：
Yilong Miao, Zhaokang Cui, Qian Gao, Rong Rui, Bo Xiong
NMNは妊活に必要なビタミン「葉酸姉妹成分」の一つです。
この難しい論文を要約すると
こうなります。
NMNを補充し、NAD+のレベルを回復させると、老化した卵母細胞の質を高めることができる。NMNの投与は老衰した卵母細胞の排卵を促進するだけではなく、その受精能力も高めることもできる。
良質な卵母細胞を作ることは、卵子が受精し、胚胎発育するための前提条件である。
雌性（女性）の生殖細胞の老衰は卵母細胞と卵細胞を含む卵胞の数量と質が低下することが主な特徴である。
NMNってなんだろう？
ＮＭＮとは、ビタミンB3の中に含まれる成分のひとつで正式名称は「ニコチンアミド・モノ・ヌクレオチド」 。ヒトやあらゆる生物に存在し体内で自然に生成されている物質ですが、年齢とともに減少することで、様々な体調面の変化を感じられる様になると考えれられています。アンチエイジング分野の進化によって美容業界でも取り入れられていますが、妊娠を目的とした摂取量に気をつけたい。
NMNは老化の原因となるNAD＋の前駆体であり、摂取すると生殖細胞のNAD＋を即時高めることができる。
自然妊娠率、体外受精成功率、体内のNAD＋生産量は年齢とともに低下する
彼ら研究によると、
・NMNの補充が、老化した卵母細胞の受精能力を高めることができる。
・NMNは受精した卵子の胚胎の発育を促進する。
2020年８月
ニコチンアミドモノヌクレオチド補給により、高齢母体の卵母細胞の質の低下が抑止
著者： Yilong Miao, Zhaokang Cui, Qian Gao, Rong Rui, Bo Xiong
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32755581/
2018年3月
多世代肥満が誘発する卵母細胞分泌因子シグナル伝達の攪乱は、運動とニコチンアミドモノヌクレオチドによって改善可能
著者：M J Bertoldo,G M Uddin,N A Youngson,D Agapiou,K A Walters他
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30895251/
2020年2月
女性の生殖機能の老化はNAD+の補給によって抑止可能
著者：Michael J Bertoldo,Dave R Listijono,Wing-Hong Jonathan Ho他
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32049001/
2019年8月
肥満、母体の肥満、ニコチンアミドモノヌクレオチド補給がマウスの精子の質に及ぼす影響
著者：Neil A Youngson,G Mezbah Uddin,Abhirup Das,Carl Martinez他
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31226694/
母体が高齢であることと卵母細胞の質の低下は深く関わっていますが、有効な改善方法はまだ完全には見つかっていません。この論文では、自然に加齢した生きたマウスにニコチンアミドモノヌクレオチド（NMN）を補給しニコチンアミドアデニンジヌクレオチド（NAD+）の量を回復させることによって、卵母細胞の質が効果的に改善したことを報告致します。NMNの補給で高齢母体の卵母細胞の排卵が増えるだけでなく、正常な紡錘体/染色体構造とオバスタシンという表層顆粒成分の動態が維持されることによって、減数分裂能力と受精能力が向上します。
