不妊症の約90%を占めるという原因不明不妊。
そのほとんどが加齢による卵子・精子の質の低下が原因だといわれています。
卵子や精子の質が低下した状態とはどういうことかというと、卵子・精子の活動エネルギー源となるミトコンドリアが不調になっているということ。
それではなぜ加齢によってミトコンドリアが不調になるのでしょうか。
そこには生体内にあり抗老化に働くとともに、ミトコンドリアのエネルギー産生に欠かせない補酵素「NAD」の減少に原因がありました。
ミトコンドリアは私たちの細胞一つ一つに数百から数千個存在し、活動するために必要なエネルギーのほとんどをまかなっている小器官です。
私たちが毎日摂る食事の栄養素と呼吸から得た酸素を原料に、ATP(アデノシン三リン酸)という細胞を動かすためのエネルギーを産み出します。
このATPを産生するときに必須となる物質にNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)という補酵素があります。
NADは生体内においてビタミンB3を材料にNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)という物質から変換されます。
このNADの前駆体NMNはヒトやあらゆる生物に存在し体内で自然に生成されている物質ですが、年齢とともに減少することが明らかになっています。
その結果、加齢とともにNADが減少しミトコンドリアのエネルギー産生が低下、エネルギー不足に陥ってしまうのです。
例えば日夜絶えることなく動き続ける心臓には、とても多くのミトコンドリアが存在し、その活動エネルギーをまかなっています。
この心臓細胞と同様に卵子や精子は多くのエネルギーを必要とするため、ミトコンドリアの量は他の細胞に比べ10倍以上必要とされています。
より多くのエネルギーを必要とする細胞ほど、細胞内のミトコンドリアの量が多く元気である必要があるのです。
加齢によりNAD前駆体NMNが減少し、その結果ミトコンドリアのエネルギー産生が低下します。
それはミトコンドリアのエネルギー産生で活動する卵子・精子の質の低下を意味しています。
しかし年齢を戻すことはできませんが、NAD前駆体のNMNを補充したり、ミトコンドリアを活性させることはできるといいます。
毎日の食事などから得る栄養素を見直したり、軽い運動の継続でミトコンドリアを活性させることができます。
妊活中は妊娠力を高める身体作りを意識したバランスの良い食事が大切です。
下記に、代表的な栄養素をいくつか紹介します。
これらの食べ物を参考に、規則正しい食事でバランスよく栄養素を摂取いただくことが重要です。
摂取するときに注意しておきたい食べ物。
※あくまで摂取を控えるという意味ではありません。
身体を冷やす食材は、血の巡りが悪くなる原因となる可能性があります。
また、卵巣や子宮は冷えの影響を受けやすい場所です。
・バナナ、マンゴーなどの南国のフルーツ
・トマト、ナス、レタスの夏野菜
・カフェインを含む飲み物
生ものにはサルモネラ菌などの細菌や寄生虫などが存在する可能性があります。
・生肉、生魚
・生卵
・非加熱・非殺菌のチーズなど
植物性油脂や、加工油脂などトランス脂肪酸の取りすぎはAGE(糖化物質)の蓄積の原因にも。
・マーガリン
・冷凍食品
・フライドポテト