妊活ゼミナール

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今日の授業

排卵誘発剤クロミッドやhMGについて詳しく解説

ここでは排卵誘発剤クロミッドやhMGについてや、主な副作用、うまく採卵できない時の理由について解説します。

クロミッドは排卵誘発剤クロフェミンの製品名で、体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)で採卵するのに使用するとてもポピュラーな排卵誘発剤です。

排卵誘発には目的にあわせ完全自然周期法から低刺激、中刺激、好刺激まで4つの方法があります。
その中でもクロミッドは、排卵誘発の中心的な存在でとても多くの場面で使用されています。

排卵誘発の種類

排卵誘発の4つの方法と特徴をみてみましょう。

 
排卵誘発剤
種類
平均採卵数
体の負担
完全自然周期法
なし
0~1個
少ない
低刺激
経口薬
クロミフェン療法
セキソビット、
クロミッド、
フェマーラなど
1個〜3個
少ない
中刺激
クロミッド+注射
クロミッド+hMG
クロミッド+rFSH
3個〜7個
比較的少ない
高刺激
連日注射
ロング法
ショート法
アンタゴニスト法
5個〜
大きくなる場合も

クロミッドやhMGの主な副作用

クロミッドの主な副作用

主な副作用 霧視、視覚症状、頭痛、情動不安、悪心、嘔吐、食欲不振、顔面潮紅、尿量増加、口渇、疲労感
重大な副作用 卵巣過剰刺激症候群、卵巣腫大、卵巣茎捻転、下腹部痛、下腹部緊迫感、腹水貯留、胸水貯留、血液濃縮、血液凝固能亢進、呼吸困難

hMG注射の主な副作用

主な副作用 発赤、発疹、ほてり、疼痛、悪心、頻尿、しびれ感、頭痛、浮腫、尿量増加
重大な副作用 卵巣過剰刺激症候群、血栓症、脳梗塞、卵巣破裂、卵巣茎捻転、呼吸困難、肺水腫

クロミッドでうまく採卵出来ない時の理由

中にはクロミッドを服用しても予定通り採卵に至らない人もいます。
何が原因で、また、どのような人が該当しやすいのかをみてみましょう。

卵胞が予定通りに破裂しない

通常は20㎜ほどで破裂して排卵されるのだが、卵胞壁に守られたまま30㎜近くまで育ってしまい、そのまま出てこられなくなることがある。

薬に慣れてしまう

クロミッドを使った治療が長引くと、体が薬に慣れてしまうこともあるという。

女性ホルモンの分泌量が少ない

女性ホルモンの分泌量が少ない人もクロミッドが効きにくくなる。なぜなら、女性ホルモンが少ないということは、卵子の成熟度が低いという証拠だからだ。

卵子の質の低下

加齢や生活習慣の影響で卵子の質が低下し、卵胞が成熟し排卵されるまでのエネルギーが不足している。

生活習慣や食習慣を見直して身体のバランスを整える

妊娠に関わる女性ホルモンを整えて質の良い卵子を育てるためには、日々の生活習慣の見直しが欠かせません。

妊娠力を高めるバランスの良い食習慣と、ストレスのない規則正しい生活習慣を心がけたいものです。

卵子の老化など妊活の様々な悩み

  1. 30歳を超え卵子の質が低下している(AMH が低下)
  2. 妊娠するが流産や死産を繰り返してしまう不育症、着床しにくい、ホルモン異常
  3. 月経異常、PMS
  4. 産まれてくる胎児の問題
  5. 男性に原因がある

悩みに対して科学的根拠が PubMed に掲載されている成分

成分効能は PubMed 内に掲載されている学術論文 (エビデンス) の多い順で順位化しています。

妊娠するための元となる卵子の年齢ケア、卵巣年齢のケアには、近年、厚生労働省から食医区分で解禁された NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)のエビデンスが多いことが目立ちました。

またエビデンスが最も多い成分は葉酸です。
しかし葉酸は妊娠しやすくなるといううよりは、妊娠後の胎児のための必要成分であるエビデンスが多いようです。

悩みを整理・理解して、きちんと目的にあった食事改善やサプリメント補給を心がけたいものです。

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