ここでは胚移植までのスケジュールと、胚移植の成功率について、そして胚移植成功の秘訣について解説します。
胚移植とは体外受精で採卵した卵子に精子を受精させ、受精卵を子宮に戻すことをいいます。
多くの良好な受精卵を同時に移植すれば妊娠率が上がる一方で多胎の可能性があります。
胚移植には採卵から2日後に4分割移植、3日後に8分割移植、5日後に胚盤胞移植を行う「新鮮胚移植」の方法と、胚盤胞まで成長した受精卵をその周期では移植せずに、別の周期で移植する凍結融解胚移植とがあります。
妊娠率が高いことが証明されている凍結融解胚移植を採用するのが一般的と言われています。
胚移植までのスケジュールを簡単な図で示しました。
質の良い卵子を採卵できるよう食生活と生活習慣を整えることが大切です。
凍結胚移植には自然周期胚移植とホルモン補充周期胚移植があります。
ホルモン補充を行わず、自然排卵後に移植する方法。月経周期が安定しており、自然に子宮内膜が十分な着床環境に育っていることが条件となります。
ホルモン剤は使いませんが、着床に適した時期にずれが起こってしまう場合があるため、最適な移植タイミングを決めるための通院回数が多くなります。
自然な排卵を抑え、卵胞ホルモンと黄体ホルモンをコントロールして子宮内膜を育てて移植する方法。
月経周期が不安定な方は、子宮内膜が十分な着床環境に育ちにくい場合が多いため、ホルモン補充周期の方法が適応されることが多い。
さらに、ホルモン補充によってコントロールしているため、胚移植スケジュールも立てやすくなります。
受精卵を胚盤胞に成長するまで培養し、その周期では移植せずに別の周期で移植するために凍結します。
そして胚移植の当日に融解(溶かし)し胚を子宮にもどします。
一方の新鮮胚移植は、採卵から2日後に4分割移植、3日後に8分割移植、5日後に胚盤胞移植を行います。
新鮮胚移植と凍結胚移植を比較すると、凍結胚移植の方が妊娠率が高く流産率が低いと言われています。
その理由は、子宮内膜が十分な着床環境に育っている状態で胚移植ができるという点にあります。
日本産婦人科学会が発表している平成23年度の治療データでは、新鮮胚を用いた移植あたりの妊娠率はART全体で21.9%、妊娠数は14,255。
それに対し、凍結胚を用いた移植あたりの妊娠率は33.7%と凍結胚移植のほうが成功率が高くなっています。
胚移植ができるかどうかは受精卵のグレードと胚移植時の子宮の状態で決まります。
卵胞を育て採卵時に多くの質の良い卵子を取れるかが、胚移植成功の確率を高めることができます。
そのためには日々の生活習慣を見直し、妊娠力を高めるバランスの良い食生活を心がけることが大切です。
成分効能は PubMed 内に掲載されている学術論文 (エビデンス) の多い順で順位化しています。
妊娠するための元となる卵子の年齢ケア、卵巣年齢のケアには、近年、厚生労働省から食医区分で解禁された NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)のエビデンスが多いことが目立ちました。
またエビデンスが最も多い成分は葉酸です。
しかし葉酸は妊娠しやすくなるといううよりは、妊娠後の胎児のための必要成分であるエビデンスが多いようです。
悩みを整理・理解して、きちんと目的にあった食事改善やサプリメント補給を心がけたいものです。